2025年10月3日
コラム
甲状腺の働きとは
甲状腺は甲状腺ホルモンとカルシトニンという二つのホルモンを分泌しています。
a. 甲状腺ホルモン
甲状腺ホルモンはトリヨードサイロニン(T3)、サイロキシン(T4)の2種類です。
甲状腺ホルモンを一口に言うと「元気の出る素」です。
① 胎児や小児の発育・成長
② 交感神経を優位にする
③ 新陳代謝を促す
など、ヒトが生活するうえで不可欠なホルモンです。
甲状腺ホルモンを調節する甲状腺刺激ホルモン(TSH)は、下垂体から分泌されます。
甲状腺ホルモンが増えるとそれを元に戻そうとするのでTSH値は低下し、反対に甲状腺ホルモンが減少するとTSH値は高くなります。
したがって、甲状腺ホルモンとTSHを組み合わせて甲状腺機能を評価します。
(「オンナたちの甲状腺」P.15参照)
b.カルシトニン
濾胞の中には少数の傍濾胞細胞(別名 C細胞)があり、カルシトニンはその細胞から分泌されます。
骨は硬くても新陳代謝が行われていて、破骨細胞が古い骨を破壊し、骨芽細胞が新しい骨をつくります。
カルシトニンは、①破骨細胞の活動を抑制し骨の中のカルシウムの血液への放出を減少させ、②腎臓において尿中へのカルシウムの排泄を促進します。
① ②ともに血液中のカルシウムを減少させる方向に働きます。
また、遺伝性があるものもある非常にまれな髄様癌は、傍濾胞細胞から発生しているので高カルシトニン血症を呈します。
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